2020年5月21日木曜日

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いつのまにか前回の投稿から半年近く経ってしまった。巷の話題は疫病一色だが、その結果として引きこもりがちとなり、模型の製作が捗っている人も少なくないのは不幸中の幸いというべきだろうか。そんな中、5/20に発売された鉄道模型趣味誌ではTMS鉄道模型コンペティション2020の告知が掲載された。

というわけで、今回の記事は去年開催されたTMS鉄道模型コンペティション2019の話題。

TMS誌を購読したことのある方なら誰もが知っていると思われるTMS鉄道模型コンペティション(以下TMSコンペ)だが、インターネットで調べるとその情報は意外に少ない。「受賞しました」という報告や「製作する上で気をつけるべきこと」といった内容の記事は見つかるのだが、作品の提出から返却の流れをはじめとした、いざ出品しようと思った時に1番知りたいであろう情報が案外少ない 。

そこで初参加の記念も込めつつ、初めての人が少しでも応募しやすくなればという思いも込めて日程の記録などを残しておこうと思い立った次第。


まずはじめに、提出日から返却日までの流れをまとめてみた。

(5/21 募集要項発表 TMS 2019年6月号 No.929)

6/20 応募用紙掲載 TMS 2019年7月号 No.930

6/25〜 申込受付(6/25〜) 

6/29 データシート受取(エコーモデル)

9/20 エコーモデルにて作品提出(受付期間:9/13〜24)

11/20 結果発表 TMS 2019年12月号 No.935

11/20 作品展参加の確認(往復はがき)受け取り

12/18 作品展参加者の懇親会参加確認(返信用ハガキ同封の封筒)

1/16〜1/22 作品展(IMON渋谷店)

1/18 懇親会

1/19 記事掲載 TMS 2020年2月号 No.937

2/7 返送完了のお知らせ(ハガキ)

2/8 エコーモデルにて作品受け取り


全体を見渡すと、応募用紙の受け取りから作品の受け取りまでで考えると半年以上かかっているが、提出から発表に要する期間は2ヶ月であり、作品展に参加しなければ12月中には作品が返却されると思われる。ただし、作品の受け取り時期は応募の方法(直接送付、あるいはどの店舗か)によって変動するようで、最速は直接送付だったようだ。

TMSコンペ2020と2019を比較すると、2020では応募用紙の掲載が1ヶ月早くなり、受付期間が数日伸びている模様。上記はあくまでも2019の場合なのでその点は注意してほしい。また応募方法に関して、例年からNゲージ部門は宅配便での直接送付のみとなっている。

さて、最初の一歩となる「データシート」の受け取りだが、これは協賛の模型店ないしは機芸出版社から直接郵送で受け取ることになる。ものとしてはA5サイズの茶封筒で、中にはデータシートと400字詰めの原稿用紙5枚が入っている。提出する際には作品に加え、これらのデータシートと原稿を記入した上で同封することになる。原稿はパソコンで作成しても良く、必ずしも原稿用紙を使う必要性は無い。ただし、必ず紙媒体へ印刷する必要があるほか、CDなどの記録媒体も同封するのが望ましいとのこと。封入されている原稿用紙は合計2000字だが、これも特に制限があるわけではなく、もっと長くても良いとの事。(ちなみに私の記事は4000字程度。)そのまま掲載されるわけでは無いと聞いていたが、本誌記事として掲載しうる文章であればそのまま掲載となるのが通例のようだ。

CDなどの記録媒体を使って制作途中などの写真を同封する事も認められており、出来るだけ多く添付した方が、いざ記事となったときは良い記事としてまとめて貰えると思う。私は途中に撮影した写真もほぼ全て(約200枚)添付した。そのほか総評でも触れられていた通り、輸送時の作品破損がことのほか多いらしく、普段持ち運んだりする機会の少ない人には梱包方法によく注意してもらいたいとの事。個人的な経験としては、収納箱の中では車両が遊びすぎない程度にキッチリ収め、宅配のための梱包ではダンボール箱を揺すると収納箱が中でほんの少し動く程度に緩衝材を詰める(緩衝材を詰め込みすぎると衝撃が吸収されず、緩衝材として機能しない)と破損が少ないようだ。

TMSコンペ2019では数十年ぶりとなる展示会が開催されたほか、初めての試みとして懇親会も催された。対象は準佳作以上を受賞したなかでも展示会に作品を出品した応募者で、発表を見ての通り年齢層は非常に高く親子ほど年の離れた方も多かったが、私の性格のせいか、年の差を忘れる楽しい時間を過ごすことができたので今後の開催にも期待したい。のだが、疫病騒動が落ち着くまでは開催が困難と予想されるのが何とも惜しい。はやく収まってほしいものだ。

懇親会では様々な話題が飛び交ったが、中でも気になる人も多いであろう3Dプリントを活用した作品に関しての話題だけ書き留めておこうと思う。そもそも製作方法がどの程度審査に影響するのか?結論から言えば、上位入賞者のほとんどは「製作方法は関係ない」と思っている事がわかった。私はデジタルが苦手だからアナログ的な手法で作っているだけで、別に3Dプリントを使えるならば存分に活かすべきだし、それによって評価が左右されては面白くない。というわけだ。「出来上がったものが全て」というのは私も同じ事を思っていたし、やっぱり皆んな同じように思っているんだなぁと納得した次第。逆に言えば、フルスクラッチだから凄いという訳でもなく、製品では納得できないからこそのフルスクラッチに腕が伴っているから評価されている訳で、自作した行為自体が評価される事もない訳で、実に明快だ。

まだまだ書きたい話題は尽きないが、あまり長くなっても読んでもらえなくなると思うので、今回はここで一旦締めたいと思う。