2019年6月25日火曜日

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・雨が多いこの時期は引きこもるにはうってつけだけれど、塗装は捗らないし、かといって湿度の高いなかで汗をかいてはんだ付けをする気も起きず、なんとも始末に負えない。普段はツイッターでとりとめもない短文を書き散らしているけれど、自分の考え書き出すのに140文字の世界はなんとも不自由で梅雨の湿気ほどでは無いにせよ中々に厄介で、それならいっそ別の場所に吐き出して仕舞えば良いではないかと思い至った。月に一回くらいのペースで投稿していきたいと思う。

・dda40x氏のブログに興味深い一連の記事があった。要約すれば「16番もHOと呼べるのではないか」という内容で、いわゆる“ゲージ論”に関する話題である。それはさておき、ゲージ論といえば呼称の話題と思う方が大半だと思うが、そもそものゲージ論はゲージ対ゲージ、すなわちHOよりもNが良いとか、HOよりもOの方が優れている。という論争の事を指したらしい。Nゲージャーに向かって唐突にHOの方がいいに決まっているなんて言えば喧嘩になるのは目に見えているけれど、Nゲージはレイアウトを作るのに向いているがサウンドを楽しむならHOの方が有利という話なら、印象は随分違うだろう。もちろんこれは例え話であって、正しい意見とは限らない。ただ、異を唱える自覚があるのであれば、相手のことを尊重した上で自分の意見を提示した方が、お互いに気分を悪くせずに済むし議論としての価値も高まるのでは無いかと思った次第。何もこれはゲージやスケールの話題に限った話ではない。

・今月のアーマーモデリング(237号)に「いいね」のもらいかた。」という巻頭特集があった。“いいね”はツイッターなどのSNSにある機能で、その名の通りいいねと思った人がボタンを押すと押された数が集計されるというもの。とどのつまり、どのようにすれば作品のウケが良くなるかという話で、これは戦車模型に限らず世の中の多くの作品発表に通じるものがある。どんなに優れた作品でも見せ方が下手であれば見向きもされないし、平々凡々な作品でも見せ方一つで脚光を浴びる可能性があるとも言える。あまり人の事は言えないけれど、SNSを眺めていると作品の見せ方には気を使いたいと思う事が少なくない。同じ趣味人にとどまらず一般人にも注目されているような作者が実践している見せ方の工夫は見習いたいもの。写真の撮り方はもちろん、それに添える文章ひとつとってもないがしろには出来ないし、インターネットを使うなら動画を活用するのも効果的な手段の1つだ。写真や動画の編集で悪戦苦闘していると模型を作りたかっただけなのに何をやっているんだろうという気にもなってくるが、これを投げ出すなら反応がもらえなくても嘆いてはいけない。

・フィギュアメーカーとして有名なPLUMから国鉄201系(1/80)のテストショットが公開された。と書けばこれといって何の変哲も無い話だが、そういう話ではない。2年ほど前の製品化決定の報から何の音沙汰もなかったところに突然テストショットが現れたのだ。というのも、その製品化決定の告知パネルに使われた図面が個人製作図面の盗用で、そもそも鉄道模型を作ったことのないメーカーだったことも手伝って大きな話題となった。当然ながら図面の作者は遺憾の意を唱えメーカーに問い合わせ、詳しいやりとりを見たわけではないが結果として喧嘩別れに終わったとはその作者の弁。それから2年、最近のメーカーによくあるような3D図面を公開することもなく製品ページも作成されないまま全くの沈黙を破って突如としてテストショットが現れたのだから驚かない方がおかしいだろう。当然ながらその情報は図面の作者にも届き、元々の印象の悪さも手伝ってか、ここが違うあそこが違うという大指摘大会の様相を呈していたが興味深いのは周囲の反応だ。2年前は同情する声が多かったものの製品としての発売が具体化すれば話は別らしく、盗用被害に一定の理解は示せるもののここまでくると大人気ないという声を多く見かけた。プラで安価な出来の良い模型が発売されるならモデラーが歓迎しないわけもなく、どうやらユーザーを味方につけられるまで沈黙を押し通したPLUMの方が一枚上手だったようだ。盗用に関しては言語道断だが、平面図だけから立体模型の設計が出来るはずも無いので、筆者はそれとこれとは切り分けて1ユーザーとして応援したいと思う。テストショットの出来は素晴らしく、発売が待ち遠しい。

・プラモデルのパッケージには完成させるのに必要な塗料の一覧が掲載されているが、はたしてその色が本当に正しいのか疑問を抱いたことのある方はどれくらいいるだろうか?しっくりする色が無いではないかと説明書をよく読んだら「2:3で混ぜよ」というような指定があって面を食らうこともしばし。鉄道模型に話を戻そう。鉄道車両の中でも国鉄型には「車両標準色」という実物の指定塗料が存在する。ぶどう色2号やねずみ色1号といった具合で、とにかくどの車両の色にも何かしらの指定塗料があてがわれている。そして、模型でも多く使われる塗料は複数のメーカーから同じ名前の塗料が販売されていて、青15号を例にとると実に9社(うち2社は入手困難だが)から発売されている。自分の好みで選べば良い話ではあるのだがウケを狙うなら人気のある色を選びたいのが人情で、すっかり困り果てた私はツイッターでどの色が似ていると思うかアンケートを取ってみた。ツイッターのアンケート機能の選択肢は4つまでなので、入手性の良いもの3種と自家調色1種を合わせた4種で1度目のアンケートを行い、人気のなかった1色を後から入手したものと差し替えて2度目のアンケートを行ったところ、初回の1番人気が2度目は最下位に転落した。写真やモニターの具合で色合いは変わってしまうので一概には言えないが、人の目は存外にいい加減らしい。身もふたもないが、やはり自分の好みで塗るのが1番良いのかなと思った。